五井病院

プロジェクトストーリー

災害への高い安全性に守られた「安心」をつくる  五井病院 回復期リハビリテーション棟

千葉県中央部、東京湾に面する日本を代表する工業都市でもある市原市。その中心部である五井に建ち、昭和38年の開設以来、地域医療の中心的役割を果たしてきた病院の増築計画である。
災害時における拠点病院としての機能保持を意図して、平成13年に県下初の免震構造を採用し建設された既存病棟同様、今回の新病棟においても免震構造や出力100kWの燃料電池を採用する等、災害に強い病院づくりが望まれた。
免震構造である新病棟と既存病棟を一体の病院として機能させるため、敷地の制約がある中、最小約4mという極めて近接した隣棟間隔において、鉄骨造の渡り廊下部分と700mmまでの可動に追従できるエキスパンションを介して2階から4階を連結するという、高い施工精度が求められる計画となった。
新病棟の機能としては1階に一般健診及び人間ドックを行う「総合健診センター」、2階は600㎡を超えるワンルーム空間の「リハビリテーションセンター」、3.4階には「回復期リハビリテーション病棟」を配置しており、全てのフロアーは十分な自然採光による明るさと、見通しのよい広がりのある空間となっている。
内装については、落ち着きあるデザインを重視しつつも、単調な印象になることを避けるため、各階ごとにテーマカラーを設定し壁や床にポイント色として採用するとともに、各所に絵等が描けられる飾り棚を設置することで、ふとした瞬間に病院にいることを忘れ、安らぎを感じてもらえればという思いで計画を行った。

アプローチ夜景

立面図

立面図

ルーバーディティール

免震エキスパンションジョイント

新館の免震層は1階と基礎の間に設け、免震装置は天然ゴム系積層ゴム、鋼製ダンパーの併用型としている。新館と本館(既存建物)とは2階~4階を連結するため階高を併せて計画し、鉄骨造による渡り廊下と、±700mm可動円運動に追従可能なエキスパンションジョイントを介して連結している。
内装については、ここを行き交う多くの人々が免震構造の連結部であることを意識せずに通行できるよう、段差無く、十分な幅を確保するとともに、自然光を取り入れることで明るい印象となるよう配慮した。

1階 人間ドッグ受付

1階 人間ドッグ受付

2階 リハビリテーション室

2階 リハビリテーション室

配置図兼 1階平面図

配置図兼 1階平面図

所在地

千葉県市原市五井5155

主要用途

病院

建築主

医療法人芙蓉会

設計・監理

国設計

施工

清水建設

構造規模

RC造(免震構造)(PH1階)

敷地面積

5,663㎡

建築面積

1,028㎡

延床面積

4,805㎡

竣工

2014年6月末

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