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“まとまり”と“ひろがり”をもつ学習環境 |
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普通教室は全て南校舎棟と中央校舎棟の2階に配置し、中央に図書室とコンピューター教室を配置してガラスの扉で仕切り、連携利用が図りやすい構成にした。各学年2教室の普通教室には、学習活動も出来る“展示ラウンジ”を隣接させ、“学年ユニット”としてまとまりを持たせた。各学年ユニットには多目的教室、少人数授業教室、特別活動室といった利用勝手のよい教室を付帯させ、グループ学習や少人数学習への活用がどの学年ユニットでも実施しやすいように配慮した。教室は特別教室も含め、腰壁上部をガラス張りにして教室内外の視認性と採光性を高めたが、腰壁は高さ1.35mの木質系掲示板とし、着座している授業中は教室内の落着きが保てる計画としている。1.5教室分の広さをもつ特別教室には、多様な授業展開が期待できるICT化による教育活動促進を意図し、黒板面をスライドさせるタイプの電子情報ボード(電子黒板)を設置した。また今後の展開によって他教室にも増設が可能になるよう、他の黒板裏にもあらかじめ補強材を施工している。 体育館棟は校舎北側の配置としたが、第二中学校の校章が“梅の花”であり、校歌にも“梅”が謳われていることから、北側の斜面緑地に自生していた2本の“梅の木”をステージ越しに見える大窓を設け、抽象的に借景とした。 拡張したグラウンドは校舎と約3mのレベル差をもつが、このレベル差を活かし、校舎の地下部分にグラウンドレベルから利用できる広い体育倉庫を設けた。昇降口からは“大階段”によってグラウンドに出られる構成にし、生徒の円滑な移動、イベント時の活用、災害時の安全性確保等の機能を確保した。
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やさしい生活空間としての工夫 |
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校舎全域の床は木製根太の床組構成にしてフローリング面に程よい弾力性を持たせ、校舎内の活発な移動でも“疲れを感じない歩行感”を確保した。 トイレはどの学年ユニットからも近くて明るい場所に配置し、壁面を全てガラスモザイクタイルで仕上げ、クリーンでクールな印象とした。多くの部分が木質化された校舎の中であえて“木の無い空間”をつくりだし、生徒の気分転換になるよう配慮した。 段状地盤に立つ校舎の宿命として校舎内には高低差が発生する為、緩勾配のスロープを各所に設けた。このスロープ空間は広い空間となる為、だれもが“自然な日常性のある空間”と感じられるよう、隣接する空間との一体性を持たせる工夫をした。相談ラウンジに隣接するスロープはあえて窓側に配置し、両空間が一体となって明るさと広さを感じられる構成にし、体育館アリーナ側とガラスで仕切り、アリーナの見学ギャラリーとしてもしようできるように工夫している。
防災面では周囲が深い樹木で囲まれている為、校舎周囲に管理用を兼ねた通路を周回させ、火災時の延焼を防ぐ配慮をした。また外装の板張り下地には120ミリ厚のALC板を施し、胴縁用の貫通ボルトは全て耐火シールによる処置を講じて校舎全体を耐火建築物としている。板張りの取付けディテールも、地震時のALC板の層間変位を不健全に拘束しないよう工夫している。その他、マンホールトイレ、防災倉庫等を設置し災害時への対応にも配慮した。
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あえて非木質内装にして気分転換を意図したトイレ
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自然を活かし環境に配慮した校舎 |
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第二中学校において地球温暖化対策に向けた環境配慮対策の最大の課題は、やはり谷戸地形の環境に対する配慮である。“東西斜面による日照時間の短さ”、“南北方向に限定される風の流れ”、“急校舎の床組が撓んでしまうほどの湿度の高さ”等、通常の平地にはない厳しい環境である。対策としてはまず校舎内を南北方向に抜ける“風の道”を幾筋もつくった。昇降口、交流ホール、体育館は直線状に貫通する経路とし、中庭を介して開け放しやすい玄関も2か所に設けた。体育館は両サイドの斜面が球技等への有害光を制御してくれる為、アリーナレベルにも開口部を多く確保して通風を確保した。6室の普通教室は2階の最も陽当りのよい場所に置き、勾配屋根成りに天井も折り上げて室内気積を大きく確保した。南校舎棟と中央校舎棟を結ぶ中廊下の上部には、電動開閉式の換気窓をもつ太陽光発電システムを組み合わせたトップライトを設け、“採光”、“通風”、“発電”を兼ね備える環境教育にも有意義な空間とした。
その他、雨水利用、LED照明、落葉除けカバー付きの軒樋、外壁を保護する深い庇等、地球環境及び維持管理への配慮を多く取入れた校舎とした。
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施設概要 |
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所在地
学級数
特別教室
その他
地域地区
敷地面積
建築面積
延床面積
構造規模
軒高
最高高
設計・監理 |
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鎌倉市西御門一丁目7番1号(住居表示)
普通教室x6(2クラス/1学年)
図書室、コンピューター教室、理科室、技術室、家庭科室、美術室、音楽室、特別活動室
多目的教室、少人数授業教室、体育館
第一種低層住居専用地域(山林部分は市街化調整区域)、鎌倉風致地区(第二種)、歴史的風土保存区域(山林部分の一部は歴史的風土特別保存地区)、埋蔵文化財包蔵地、鎌倉市景観計画(谷戸の住宅地区域、公共公益施設区域)
34,711.37㎡
3,451.48㎡
5,233.44㎡
鉄骨造地上2階建て
9.99m
11.95m
株式会社 国設計
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施工 |
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建築
電気設備
機械設備
外構 |
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鉄建建設 株式会社
愛和電機 株式会社
株式会社 テクノ菱和
株式会社 竹村組 |
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外部仕上 |
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屋根
外壁
開口部
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カラーフッ素ガルバリウム鋼板横葺、アスファルト防水
杉板厚18下見張り木用自然系塗料、中空セメント版組合せ 耐火工法
アルミ建具 |
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内部仕上 |
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交流ホール
普通教室床
体育館床 |
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床-フローリング、壁-杉板厚15、天井-吸音ボード
床-フローリング、壁-杉板厚15、天井-吸音ボード
床-フローリング、壁-銘木合板、天井-シナ合板 |
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